バイブを買いに 夏石鈴子

バイブを買いに (角川文庫)

バイブを買いに (角川文庫)

再読です。「鳩よ!」での連載を読んで“夏石鈴子”という書き手に好感を持たなければ
手に取ることはなかったであろう1冊だ。
読み返してみると……ちょっとくどいかもという印象。
感情移入できるほど主人公に同調できるかっていうとそうでもなくて。
でもなぜ彼女の作品が好きで気になるのだろう?
たぶんきっと主人公がごく普通の女の子たちだから。
いわゆるキャリアウーマンでもなく、取り立てて美人でもなく、お金持ちでもなく……ああ身近。
好きな人ヘの思いを素直に表現しているから。
おちんちんという言葉出し過ぎって感じもするけど(苦笑)
帯やあとがきにもあるけれど、この本を読んだら

大好きな人に、いま、会いに行こう

そんな気分になりましたよ。
彼女のような視点と感性で書き続けて欲しい。
このくらいの温度で書ける人ってめずらしいと思うから。
「家内安全」を読んでも感じることだけど、自分の経験がネタになってるのが見え隠れするから、あまり期待しないで待っていよう。