欠陥住宅物語 斎藤綾子

欠陥住宅物語

欠陥住宅物語

どんな作家かはなんとなく知っていても、彼女の小説を読んだことはない。
この本は、小説ではないときいて読んでみたくなった。
いわゆる定職を持たない女の自立っぷりを知りたかったのだ。
それにしても「だらしな日記」の藤田香織といい、フリーランスの独身女性が、簡単に(みえる)不動産を買うことができるのか不思議。
定期収入は連載、単行本の印税はボーナスみたいなものではないのか?
しかも不安定な。
それはさておき、この本はノンフィクションなのか?
それとも、フィクションを織り交ぜたセミノンフィクションなの?
ちょっと疑問。
欠陥住宅を買わされて弁護士たてて裁判起こす、タイトルから連想されるくだりは少ないし、何となく予測できる内容であまり面白みは感じなかったけど、母親との関係や家探しの段階の話が面白かった。
「娘」としてうなずくところ多し。
あと、恋愛の部分ではもっと修羅場をみたかったな。
こうして電車を乗り越すほど夢中になって一気に読んだこの本も、なんとなく内容がパラパラしてるのねん。
冒頭の7年続いた彼氏との話とか、都心に借りたマンションが某雑誌の元編集室だったとか、また、単純に時系列でないのもなぜなんだろう?
振り返れば、欲求不満になりそうな内容だったけど、おもしろかったです。