『こっちへお入り』平安寿子

こっちへお入り

主人公30歳独身ＯＬ江利が友人の落語の発表会を観に行ったのをきっかけに自分もはまっていくという話。といっても、落語オンリーだけじゃなく、30代独身女性の悩みも絡めて描かれてるわけだが。
落語、興味はあるけど良く知らない私にとっては、身近にそんなサークルがあったらやってみたくなるかも…という気持ちにはしてくれるし、特に弟との関係など、共感できる部分も多い。
なかなか面白い1冊だったと思う。この著者の良いところでもある軽さや、好みの偏りに対する開き直り方も感じられるし。だからといって、それらが好印象とは限らない（笑）
各章のおしまいに薀蓄ページがあるんだけど、それがあってもなくてもいいような中途半端なもので、なんだかなー。
たくさん人が出てくる割りには描写が物足りないかも。そういう軽さがあるから、読めるっていうところもあるのかな。