田口ランディ その「盗作=万引き」の研究 大月隆寛

田口ランディその「盗作=万引き」の研究

田口ランディその「盗作=万引き」の研究

田口ランディが世間で持ち上げられていても全く興味を持てなかった私だが、盗作疑惑(無断使用)が大々的に報道され、幻冬舎のHPに掲載された
“謝罪文”を読んで初めて「コンセント」「アンテナ」「モザイク」を手に取った。
それぞれの感想はともかく、まず、謝罪文が謝罪になっていないのと、こういうことは書いちゃいけないんじゃ? はずかしいよね?と次々つっこみたくなる内容的にあれれ?な代物を掲載した版元や担当編集者の見識が疑われると。
ご興味のある方は巻末の全文が掲載されているのでごらんください。
2ちゃんねるの力で出来上がったこの本ですが、やじ馬的に面白い部分も確かにあるし、盗作がこれまでどのように報道され語られてきたかなんてかなり硬派だし、コラムストーカーの実態や、インパク顛末記などは確かに読ませる。
もちろんメインテーマの盗作に関する原典との文章対比一覧なども確かにがんばってるな、とは思うものの、半分くらいは揚げ足取りというか、重箱のすみをつつきすぎ!的な章もいくつかあって。
でも、田口ランディの文章に対する感覚や、仕事に対する姿勢を見せつけてくれる。
こういう人だからあんな“謝罪文”を平気で書けるんだなと。
私にとって、伝説の“謝罪文”に始まり、終わった作家です。