今、何してる? 角田光代

今、何してる?

今、何してる?

三部構成のエッセイ。第一部の恋愛論はまあこんなもん?という感じ。
一つ一つのテーマが短めで軽い気持ちで読みすすめられる。
けど……良くも悪くも角ちゃんぽくてメリハリがないというの?
第二部は全く記憶に残ってないの……。
第三部は、朝日新聞に連載されてた、書評。
序文の『まったきふつうのこと』がいちばんおもしろかったし、印象に残っている。
普通がいいじゃん、個性なんて大嫌い!と思っていたら自分は結構普通じゃないのかも……ということに気づいたという文章なんだけど、大人になっても制服があればいいとか、
みんな一緒なら安心じゃんとか、そうだよね、とは思わないけど、普通のことが当たり前にできることってものすごく重要なんじゃないかと思ったの。
ここにはそんなこと書いてないんだけど。
でも正直言って、一気読みは出来なかった。だんだん飽きてきちゃったのね。
一部なんか最初は面白かったんだけどまとめて読むと辛かったし、二部もきっとおんなじ理由。
三部は新聞で読んでるときは気づかなかったけど、自分自身の体験や思いを冒頭にあげて書いているのが多かったのところにはプロっぽさを感じた。
自分だったら、取り上げる本のどこになにを感じてよかったんだか悪かったんだかを書くんだろうと思うけど、そんなことには触れずに、たとえば、知人の五歳の息子に会って「違い」を感じたエピソードを述べたあと「違う」ことといえばこの本で思い出す……みたいな。
思いっきりはしょってるのでわかりにくいと思うんだけど。
角ちゃんのエッセイは温度が低いので好みではあるのだけど、まとめて読むと面白さも印象も半減しちゃう。私には。
それに何だか無理矢理まとめた感もあったし。