うたかた。 及川光博

うたかた。―及川光博詩集 (マーブルブックス)

ツアーの場面展開として使われた「今夜のポエム」を集めたもの。
正直私は当初の企画、「いろいろな人の詩や言葉をチョイスして朗読する」という方向性を期待していた。
初っぱなが銀色夏生の「私の心は」だったから。
そのときどきでどういう選び方をするだろうかとその選択眼に興味津々だったのだ。
なのに2回目からずーっと自作の詩。自分の気持ちを自分の言葉で表現するのはある意味楽なほうに流れたな、と。
自分の膨大な知識からテーマに沿って選曲する、センスいいDJの様なことを期待してた。
おー、これを選びますか！！みたいな感動や驚きが欲しかったの。
結果として1冊の本に、本人言うところの「聞こえよがしの独り言」がまとまったのだからその点は、ベイベーとしてはうれしい。
時節柄、戦争が起こったことに精神的に揺れて空回りしたショウもあった。
「うたかた。」ツアーに参加したものではないと正直楽しめない本なのかなとも複雑な気持ちだ。