雨の匂い 樋口有介

雨の匂い

雨の匂い

これはいい。とっても。私の求めている樋口有介作品だった。
主人公の大学生・柊一は冷めている。とても。
冷めているというより、達観してるというのかな。
今までの樋口作品よりも、描かれる少年少女の雰囲気は変わっているけれど、今どきかな、違和感ないし、まわりの大人たちの勝手さや、汚さかげんも。
ただ、中年女性の口調……語尾伸ばしの形が、ものすごく不愉快にだった。
気持ち悪くなるほど。出てくる中年女性の語尾がおんなじようにのばされてて。
それがとても気になった。「枯葉色グッドバイ」のオカマのおばさんの口調もそうだったんだけど……なんで?
余韻が残る、素敵な作品だったと思う。
でも、おばさん口調と、証拠隠ぺい作戦が甘いので★ひとつ減。