ツ、イ、ラ、ク 姫野カオルコ

ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク

残念ながら直木賞受賞できませんでしたねー。予想してたんだけど。
私は、エッセイのほかは、「終業式」しか読んだことなくて、またそれが、とても気に入ってはいたのです。
後半を読んでいて「終業式」がパワーアップしたみたいと感じたくらいで。
冒頭の小学生時代のエピソードや、会話文に方言が使われているところなんかは、とても読みにくくて、難儀しました。
あと例えというかな、新撰組だとか、ヘンリー・ミラーの小説の引用だとかはちょっと疲れたりもした。知識ひけらかしに思えちゃって。ひがみだけど。
でも、読み終わって、合点がいくというのでしょうか。
あの辛い前編があってこそ、中盤(中学生時代)、後半(大人になってから)がいきてるんだ、って。
ほんとにね〜、切ないいろんな場面があったりするわけで。

以下ネタバレ

隼子とレイちゃんの再会部分は、偶然じゃなくて、計算した結果であってほしかった。
そこが残念。年月が過ぎて、やっぱりその人しかいなくて……って自分でもそれを認めたくなくても、限りなく0に近くても、ほんの少しでも可能性があれば、望んだっていいじゃない、そんな自分の行動がビンゴ!だったら、あのラストももっと気持ちがいいと思うんだ。
そんなふうに無意識に生きていく普通の人々って多いんじゃないのかな。
「不倫(レンタル)」も読まなくちゃ。

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あかつき > ふりすかさん、はじめまして!同意見に思わず「そう!」と叫んでしまいそうになりました(深夜なのに)
私も思いました。「終業式」のパワーアップバージョンと。
似てますよね。あの若さゆえの感じとか。なんというか。
ラストのラッキーチャチャチャ(←あれ?これってなんだっけ…)は私も残念。
でもまーほっとした気もしましたが、姫にしては珍しい締めくくりに、結婚したからなのかなぁとついつい思ったりもします。 (2004/05/26 01:09)
ふりすか > あかつきさん、はじめまして。コメントありがとうございます。ラストは、ハッピーエンドもいいんですけど、貪欲にそれに向かって行動して欲しかったな、と。
「ラッキーチャチャチャ」……そういえば、なんでしたっけ? 結構使いますよね(笑) (2004/05/26 10:17)