ニシノユキヒコの恋と冒険 川上弘美

ニシノユキヒコの恋と冒険

ニシノユキヒコの恋と冒険

川上弘美作品で一番好きかもしれない。いや、やっぱり「おめでとうが」一番かも。
「光ってみえるもの、あれは」はなんだか川上弘美っぽくなくて、まだ途中までしか読んでいないのだけど、そこまで不思議度を排除せず、そこそこに、頭の作りが単純なわたしにも抵抗ない程度で。

思わず、読み終わってから、「にしの、西野、ニシノ」と、「君、くん、さん」
……これらの組み合わせを声に出してつぶやいてみる。
声に出しちゃえばおんなじなんだけどね、思わず。
そして、NISHINO、と、ちゃん、がなかったわね。

「恋」と「冒険」とうたっているけれど、「愛」じゃないよね、お姉さんとのことも。
それに、これが「冒険」? でも、彼にとっては冒険だったのかな、いろんな女の人とのかかわりが。
ニシノくんの不思議ちゃんぶりをどう理解していいのか、悩みます。
でも、この作品ってニシノくんが主人公のようでそうでないところがミソだなあ。
もちろん軸になってるのはシスコンでモテ男のニシノくんなんだけど。
モテるのに愛し方をわかってないよ、ニシノくん。
それにひきかえ、相手の女の子たちの勘のいいこと、物分かりのいいこと、脱帽する反面、とても哀しく切ない気持ちがたまらない。
ああ、女ってヤツは。。

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青子 > 私も最近やっと読めました。ニシノくんを書いているようで、でもホントはシタタカな女の子たちがグーンと光ってるお話でした。ちなみに現在、私の一番は「光ってみえるもの、あれは」です。 (2004/02/10 18:46)
ふりすか > したたかで、感受性の強い女の子たちってかんじですよね!「光ってみえるもの、あれは」は、まだのれないんですよ、なぜかなー。 (2004/02/10 18:53)
えりこっこ > わたしも『おめでとう』がいちばんです!気があってうれしい♪しばらくはいつも鞄のなかに入れて、開いたページから読み返してました。
この本は最初の『パフェー』がいちばん好きですが、『まりも』のサユリさんがなぜかすごく印象に残っています。 (2004/02/11 12:18)
ふりすか > 私は、「おやすみ」のマナミかな。サユリさんも確かに印象に残るね。「パフェー」はいかにも川上弘美っぽいなあと。うん。
いま、本を手にとってみたんだけど、「どうして僕はきちんと女のひとを愛せないんだろう──とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよった(以下略)」って書いてあったんだけど、
ちがうだろ、愛するつもりも、探すつもりもなかったような気がしたよ。 (2004/02/13 14:37)