いま会いにゆきます 市川拓司

いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます

芥川賞騒ぎや「世界の中心〜」がランキングの上位を占め続けるなか、じみーにランキングしていた作品でもあります。
それ以外まったくの予備知識なく、たまたま、家族がもらってきたので読みました。
……なんでしょう? 私はあまり好きではありません。
キレイゴト過ぎると思ったのです。全てがあり得ない、あり得ない話がダメなら読む本なくなっちゃうんですけど、
あまりに説得力がなさ過ぎると思って。

ここからある種ネタバレになるのでご了承ください。

主人公の男のかかえる病気にリアリティがない。
その男を雇う会社(経営者)がわからない。
(周りの人がいい人過ぎて気味が悪い)
そしてどうしてそんな男の妻になったのかわからない。
ふたりがどうして結ばれたのか(結ばれているのか)まったく伝わってこない。
そして最後の落ち。これはないんじゃないかなあ?
北村薫の某作品とか、参考になった海外の某作品とかは、おもしろかったのになあ。
単純に障害があっても結ばれた大切な相手を失っちゃって……というだけでは弱いな。

読み終わって奥付を見たら編集担当が、野ばらちゃん担当の人だった。
今後この人が育つのかどうかは注目かもと思いました。