シルエット 島本理生

シルエット

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よく、17歳でこんなのが書けてすごい!みたいな評がありますが、果たしてそうでしょうか。
10代だからこそ書ける、10代だから誰でも書けるわけでない、というところが、彼女の評価なのではないのかな、と思いました。
逆に、これを20代30代の作家が書いていたらかなり痛いというのも正直な感想。
ところどころ文学作品名を挙げられるところ、ちょっと鼻につきました。
なにゆえこれをここで出すのかな? 必然性が感じられないというか。
個人的にそういうの嫌いで。取り上げられるべき理由があるならいいんだけど、どうしても読書好きなことをアピールしてるような感じで。
ちょっと厳しい評になっちゃったけど、年齢が、評価されるときに加味されなくなるよう今後に期待。
他人とのかかわりで生まれる感情や、受け入れようとする気持ち、これはずーっと書き続けられるテーマであると思うから、そのときどきの年代での作品を読みたいなあと。
つらくても第三者とのかかわりを受け入れたいという気持ち、また一人で守り続けていくという選択もあるのかもしれないということを、そんな普通の人の心の揺れをこんな文章で書かれたらうれしいな。
そういうことを感じちゃった私にとってあのあとがきは反則です。
あれがあってこその「シルエット」かな。

表題作以外の2作品については、あまり書くべき感想はないです。
決して悪くはないんだけど。

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こん > 「生まれる森」「リトル・バイ・リトル」の次に読んだのですが、これは少し格好つけすぎな表現が気になりました。
前出の2作品にはそれがなかったので。
他人とのかかわりのなかで、その時の気持ちには嘘なないけど、やはりさみしいかな変化していくものなんだと、それをすごく感じました。 (2004/05/18 20:56)
ふりすか > こんさん、レスありがとうございます。そうそう、「そのときの気持ち」をこんなふうに書き残せることに嫉妬しているのかもしれません。次は「リトル・バイ・リトル」にいく予定です。 (2004/05/18 22:00)
トントン > 島本さんの小説で初めて読んだのがこの本でした。単純にすごい!と思ってしまった私ですが、ふりすかさんの言うように10代だからこそ書ける作品かもしれないですよね。「リトル・バイ・リトル」もまた違った感じの作品だけどなかなかよかったですよ。 (2004/05/18 22:18)
ふりすか > トントンさん、私、ちょっと島本理生に期待してるだけに、厳しい物言いになったのかもしれません。まだこれ1冊だけなので、次も楽しみです。 (2004/05/18 23:05)
エリコ > 島本理生さんは読んでないのですが、帯とかの作者コメント読むと、個人的には芥川賞の2人よりも好きかなと思います。
近いうちに読んでみたいです〜。 (2004/05/18 23:52)
ふりすか > エリコちゃん、芥川賞二人の極端な優等生ぶりと不良ぶりを考えると、とても普通な感じはするよね。そういう意味では好感がもてるかも。 (2004/05/19 19:58)
エリコ > わたしは金原さんは嫌いだな…。作品より人が(笑)。
わたしにとっては自然なの、って顔をしながらすごく自分を特別だと思ってる感じが。不登校をどうこう言うつもりはないけど、それを威張る人は嫌いなんですよね。
ああ、「シルエット」に全然関係ない話でごめんなさい。 (2004/05/20 01:54)