ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

表題を含む短篇集。
はっきりいって映画を観なければ、興味どころか存在も知らなかったと思う。
どうしても、キャストが頭に浮かんできちゃうんだけど、へぇ〜、この短篇が、あんな映画になるのねぇ〜と感心した。
だって、映画の中の短篇にはない設定や、登場人物もエピソードのどれにも違和感を感じなかったから。
短いお話の根底に流れているもの、うまくいえないけれど何が言いたいのか、伝えたいのかをうまく汲み取っているというか、そういう愛情を感じたのでした。
それでも、ラストに突きつけられる現実は、正直きついと思った。
原作では、そうだろうなとわかってはいても、映画のように目の前に「ホレッ!」と投げ出されると、うわーっ! って現実に引き戻されるというか、キレイゴトでは終わって欲しくない、そんなものを見せられたという感じ。

田辺聖子作品を読むのは初めてで、普通の恋愛小説だったのでビックリ。
それも、なんていうか、まったく古くない。
田辺聖子って、やっぱり一時代前の人という印象があるの、私の中では)
もちろん風俗的な描写のなかに古さは感じることもあるけど、きっと江國さんファンも好きなんじゃないのかな。
ここに載っている数々の恋愛模様なんかも楽しめると思うもの。

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エリコ > 田辺作品って、読む前は大阪弁のちょっと古くさいイメージなんだけど、実は全然そんなことないんですよね。
これも、すごくいい短編集ですよね。 (2004/06/20 21:55)
エリコ > 田辺作品って、読む前は大阪弁のちょっと古くさいイメージなんだけど、実は全然そんなことないんですよね。
これも、すごくいい短編集ですよね。 (2004/06/20 21:55)
エリコ > あ、2回投稿してしまいました… (2004/06/20 21:57)
ふりすか > えりこっこちゃん攻撃?(爆)そうそう、いい短篇集だよね。★4個にしようか悩んだんだけど…… (2004/06/20 22:58)