月魚 三浦しをん

月魚 (角川文庫)

月魚 (角川文庫)

古書店、着流し……とくりゃあ京極堂?を思い浮かべてしまいますな。
読み終わっても、時代性がまったく伝わってこなかったのが残念だな。
真志喜(名前)と瀬名垣(名字)……紛らわしくて、読みづらい。
なんかこう、いろいろ描写はされているんだけれども、それをヴィジュアルとして頭に浮かべるのがなかなか難しくて。
とにかく、とても上手に描けていると思いました。
けど、やっぱり小説というのは現代ならばきちんとその世相や文化、時代がわかるような描写がないと、つまらない。私は。
で、思わせぶりな設定(古書店、日本家屋、着流し、男同士の感情)とか古書店業界のことなんかはそういう部分があって初めて生きる要素だと思うのに。
ほんとうまく書けてると思うだけに残念なのよね〜。うん。
まあ、なんだか、自分の知っている知識(古本業界)と好みの設定(男同士の怪しい微妙な関係)をがんばって書きました。という感じ。
ちょっと厳しすぎたかなあ。話自体は好きなほうなのですが。