野ばら 林真理子

野ばら

野ばら

図書館から久しぶりにお召しがあったので(爆)何予約してたっけなあ〜と行ってみたらば、「残虐記」と「野ばら」を渡される。
一緒だったダンナさんが「なんで野ばら(林真理子)?」と私もちょうど疑問に思っていたことを口にする。
なんでだっけ? としばし沈黙。
そういえば、この小説には、実在の店が時に実名で、時に名前を伏せたまま、詳細が記述されているという、おいしい店探しのみを目的に予約したことを思い出した。
そうだった、そうだった。
そういう意味では、ちょっと期待外れだなあ。実在の店がわかるとわからないのじゃ楽しさも半減だよね。。
例えば、萌と不倫相手の三ツ岡とのデートの場所の一つのイタリアン。
へぇ〜あんなところでそんなシチュエーション?とお店が頭に浮かび、楽しめた。……ということは、それ以外描写はあるものの、肝心なことは、店がわからなきゃ伝わらないっていう妙なことになるんですが。。。

それはそうと、半端じゃないお嬢様ふたりの恋模様が描かれているのですが、どうなんでしょう。
「私たちってずうっと幸せなまま生きていけるような気がしない?」
そうなんじゃない?ともいえるし、そうでもなさそうだよ。。ともいえる。
なんだか、もっと女のいやらしさやずるさを書いて欲しかったなあ。
あと、主人公が24歳という設定なんだけど、どうも30代のような気分で
読んでいたし、誰も魅力的に感じるほど人物が描かれてない気がする。
萌の母親しかり、三ツ岡しかり、みっちゃんしかり。
三ツ岡の娘の「悪意」をもっと!!と思ったのは、桐野夏生に影響され過ぎか?(笑)

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エリコ > わたしは文春の連載でときどき読んでいただけなのですが、自分より年下の女性だとは思えなかったですねぇ。。。
20代以降、微妙に変化していく女の価値観ってあると思うのですが、
変化の中身は覚えてても、それが24だったのか28だったのか30だったのか…
っていうあたりは、いくら林さんでも忘れちゃうのかなあと思いました。
(2004/07/11 12:57)
ふりすか > うん、なんか、林真理子でも20代前半を描くことは無理なのかあってわたしも思いました。確かに幼稚だったり短絡的であったりはするんだけど、24くらいでああいう気持ちになるのかなあって。失恋したあとの落ち込みようって、あれ、どう考えても20代後半から30代のものに思えましたよ。それに、林真理子酒井順子がこの作品について対談してたのを読んだら結構引いた。 (2004/07/12 18:08)