太陽と毒ぐも 角田光代

太陽と毒ぐも

太陽と毒ぐも

これはもう、決定的な価値観の違いを描いた短篇集。
どこを切っても「ザ・角田光代」みたいな(笑)
11篇収められていて、ほとんどが同棲カップルで、30代。
それにしては会話が幼いんだけど、かえってそこがリアルだったりして寒かったりする。
「エコノミカルパレス」の主人公みたいなカップルが11篇だよ!
きついでしょ、どう考えても。
また、読み進むうちこのズレとか馬鹿っぷりが冴え渡るというのかしら。
でも、そういうことなんだよね「価値観の違い」って。
そして、それでダメになるなら、理解できないってこと。
つまり、そのふたりは、うまくいかないっていう簡単なこと。
でも、なかなか認めたくないから、恋愛なんだよなあ……って。
逆に、認めちゃう、見切りをつける決心がつくもっと前に気持ちが離れてるんだよね、実は。

しかし、あの表紙はなんだろね?
毒ぐもってあの八本脚の生き物のことかと思ってたんだけど、あれじゃあ北風と太陽、って感じなんだよなあ。
っていうか、なんでこんなタイトルなの?

                                                                                                                                                              • -

せいこ > 私も毒ぐもって「蜘蛛」だと思ってたんだけど「雲」なのかな?だ題名と装丁はともかく中身はかなり好きだった。許容範囲ギリギリでもあるけど。(笑) (2004/08/11 11:44)