思いわずらうことなく愉しく生きよ 江國香織

思いわずらうことなく愉しく生きよ

思いわずらうことなく愉しく生きよ

雑誌VERYに連載していたもの。
「思いわずらうことなく愉しく生きよ」……ってできないこと知ってて書かないでよねーて思ってしまった(苦笑)
実は期待せずに読んだのだけど、なかなか面白かったと思うな、最近の作品の中では。

三姉妹の誰に感情移入したか、共感したかと問われれば、それぞれのいろいろな場面でちょっとずつあった、というかんじ。
なぜか私はこの作品に出てくる男たちがとーっても気になりました。
いまだに持ち物検査をするような父親とか、麻子のDV夫、邦一、売れてないとはいえ、文筆業なのに、あんな別れのメールを書いた、
治子の同居人だった熊ちゃん、育子の段階が大事だと主張する彼氏。
その中でも、邦一のサイドストーリーは欲しいなあ。
どうしてDV夫になっちゃったのか。
なんか、「家族」に対して恨みがあるような描かれ方だったから。
それより、私が気になったのは熊ちゃん。
あれじゃあ、私だってカチンと来るわよ。
ほんとに、治子がいいと思ったらあんな態度はとらないで欲しい。
もっと、そういう気持ちをぶつけて欲しかったと思う。
まあ、現実的には無理なんだろうけど。
それができない男はいらないのです。とくに治子のような女には。

どうしても、「きらきらひかる」や「つめたいよるに」、「落下する夕方」の圧倒的な存在感というかこれだよ!って感じられるものはない。
主人公が、書き手と一緒に成長(年齢の点で)しちゃっている、というか、せざるを得ないせいなのだろうか。よくわからないけど。

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まゆ > 久々に「読みたい!」と思った江國作品でした。でも、三姉妹とも私はちょっと苦手です。話としてはおもしろかったですが。 (2004/08/05 17:17)
ふりすか > もう、タイトルと装幀の勝利ですよね! 確かにこの三姉妹友だちにはなりたくないよね。。だから、あんなふうに家族で結託?できるのかな?(笑) (2004/08/06 00:15)
さくら > 私も好きでした〜この話。この三姉妹とは友達には確かになれないでしょうけど、私は好きでした。江國さんの描くちょっと不思議な独特な家族像って結構好きなんです。
「思いわずらうことなく愉しく」生きられたらいいですね〜そう在りたい! (2004/08/06 11:34)
ふりすか > さくらさん、こんにちは。確かにこのお話、時間が経てば経つほどいろんな味が出てきますね。それにこの三姉妹、正直ですよね。それにある意味自分を見失ってないというか。何に対しても向きあっているというか。すごいなあ〜。 (2004/08/06 11:49)