さいはての二人 鷺沢萠

さいはての二人

さいはての二人

これ「さいはての二人」はですねえ〜ドラマっぽいです。
全てが必要な要素で。
できればあまり台詞で語らず映画化して欲しい。
監督は誰がいいかなあ?と読み終わったあと思いをはせてしまいました。

鷺沢萠は、とことん“家族”にこだわっているんだなあ。
痛くて温かくて……自分の居場所を見つけた二人なのに。
たぶん、家族の役割全てを果たしているようなそんな二人にみえました。
美亜が朴さんにとって、娘であり妹であり、恋人であり母であり妻であるような。
そんな感じ。まさに家族。その逆ももちろん成り立っていて。
だから、ふたりが存在する場所が、一緒にいる時が、それぞれの“居場所”だったと思う。
それがどうして“この男は、あたしだ”といいきれるのか良くわからなかった。
似てる、じゃどうしてだめなの? 同じ人種だ、みたいな。
野ばらちゃんが“魂の双子”を探し求めるストーリーを書くけれど、双子であって同一人物ではない。
映画「アメリ」の恋人ゲット作戦も同じだと思う。
そういう気持ちは痛いほどわかる。でも同じ人物ではないはずだ。
だから、あの言いきりが納得いかなかったりする。
あと、やっぱりラストだな。ネタバレです。
いくら最期だからって寝ないで欲しかった。
それに妊娠もして欲しくなかった。
それでちょっと辛口点数なの。★4つけたいんだけど。でも好きです。

「約束」
なかなかいい話です。器用に書いてる。
でもね、恋人妊娠させといて、黙って姿を消すっていう男を信じて
結婚できる女の気が知れない。そこまで計算だったらあっぱれだが。
「遮断機」
そんなことで死にたくなるんだよ、女は。
でも、死ななくてよかったねというお話。

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エリコ > 言い切りと妊娠は、わたしも抵抗があったなあ。寝るのはいいかな、と思いましたが。
鷺沢さんは、そういう相手(同じだと思える相手)を探していたのかもしれませんね。完璧主義というか、理想だったのかも。でも、完璧にち理解するなんて、無理ですよね。 (2004/08/10 21:11)
ふりすか > 「同じ」は無理だよね〜やっぱり。完璧には無理としても、理解者でありたいと思うし、そうであって欲しいとは思いますね、パートナーには。 (2004/08/12 01:11)