チルドレン 伊坂幸太郎

チルドレン

チルドレン

とにかく読後感がとってもいい。気持ちが良くて、ほろりとくる。
だいたい「いい話」って偽善っぽく感じて嫌いなタイプなんだけど、これはねえ、小説ってこういうのがいいよね、こういう小説読みたいよね、って思わせる。
ご都合主義も大嫌いだけど、個人的には、金城一紀の「フライ、ダディ、フライ」あたりの爽快感を思い出したり。

それにしても、陣内という男、身近にいたら惚れる。
でも、恋人とかでは無理(爆)
キレイゴトだけじゃ済まさないけど、きちんと人の痛みがわかる人というか。
だから、余計にキレイゴト大っ嫌い、みたいな。
主要登場人物に悪い人がいないんだけど、それもイヤミじゃない。
目のみえない永瀬くんの冷静さ(今を特別な時間と思っていたほうがいい、というところ)もかっこいいし。

もともと短編連作は好きなのですが、これはトリッキーな時系列操作をしているわけではなく、こういう順番で伝えることが、より読み手を作品に近づけてくれているような……それに、途中で「?」と読者ならもれなく感じていたであろう謎を、最後にきちんと落とし前をつけてくれてるし。
★5つつけたい気分でもあるけれど、私にとっては初めての伊坂作品なのでおさえました。

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あしか > わたしも陣内、身近にいたら惚れると思います。私の場合恋人もOKかも。 (2004/08/28 23:17)
ふりすか > もてますよね、絶対! 恋人だったらたいへんそうなんだもの。(弱気) (2004/08/29 09:29)
ときわ姫 > ふりすかさん、あしかさんは陣内さんが近くにいたら惚れちゃうんですか?私は遠くにいたら惚れるけどそばにいたら逃げます。惚れちゃいそうで恐いから。 (2004/08/29 09:32)
ふりすか > ええ、近くにいたら惚れます。遠くにいたら近寄りたくなります(爆) (2004/08/29 11:48)