パイロットフィッシュ 大崎善生

パイロットフィッシュ (角川文庫)

パイロットフィッシュ (角川文庫)

あのー、肯定派の方、読まないで下さい(苦笑)
たぶん不愉快になります。。。

「人は、
一度めぐりあった人と
二度と別れることはできない」

これは帯と冒頭の言葉。
ええ〜? そ〜ぉ? うさんくさーい。
と思ったけど読み終わって「愛情日誌」で引用した、
“一緒に過ごしてきた時間が……お互いの成分になるということだ”
ってことよねと。
いいたいことはわかるけど、それがこういう作品になっちゃうのか?
単行本を読んだのだけど、文庫ではもう少し人間関係について加筆修正(笑)はあったのかしら。
一応主人公の現在(40男)、と19年前(大学時代)が織り交ぜられる構成なんだけど、……成長してる? してねぇよっ!
登場人物の好き嫌いで作品の評価をしてるつもりはないんだけど、だめかな〜。
なんか、ダメなのこういう男。音楽絡みで語るのもスカシ過ぎ。
女ばかにしてんのか! セックスも。
あと、登場人物それぞれの描き方が希薄過ぎやあしませんか?
登場するたびに興味はそそられたのに、裏切られまくり。
前半の森本はどうしたんだよ? ストーリーにまったく絡んでないじゃん。
ラストでとってつけたように思い出すな。
伊都子って誰? って確認するためにずいぶんページ戻ったよ……。
由希子も若いときも今もまったく理解できん。
しかも結婚相手が広告代理店の男ってどーよ。
可奈のこともこじつけっぽいし、だったら何なの? とつっこみたいし、ましてや七海との出会いだよ。そういうこともあるだろうが、そうなるまでの何かが欲しい! はしょり過ぎ。
っていうか、大人の女には相手にされないんじゃないの、こういう男は。
セックスの表現もいや。全然エロくない。おっさん臭い。
売れてる本みたいだから、世の中年男性の方々、マネしないでね。
唯一リアルに感じたのはエロ雑誌編集者五十嵐が、奥付に名前が載るのだけは勘弁して欲しいと死にかけの社長に懇願するところ。
こういう男っているよな、と。
読後感はそんなに悪くはなかったんだけど、そういうわけでせっかくの素材が中途半端で、何だか、これだけ書くならちゃんと落とし前つけて欲しかった。
散々文句を書いちゃったけど、もっと普通にいい話になるんじゃないのかなあ?
要素はいっぱいあるのに、残念。

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あしか > 私も大崎さん駄目派ですね。ストーリー構成とか素材とは悪くないんですが、この人の根本的な部分がきっと私は嫌いなんだと思います。技術とかそう言う部分じゃないただ単に好みの問題なのかもしれませんが。 (2004/08/29 12:17)
七生子 > 本プロのトップに大崎善生パイロットフィッシュ』の感想があったので、何気に「そうそうそう。そうなのよ」と深く頷きながら拝見、そして最後にどなたの感想かと確認したら、、、フリスカさんでしたか(笑)。こちらでは、初めまして〜!!
私もこの主人公がダメ。そしてこの主人公を肯定している大崎善生という作家もダメダメです。もう「相性が悪い(天敵)」としか言いようがないものなんだと思います(苦笑)。
嫌いと言いつつ何作か読んだのですが、読む度に不愉快になるので、ノン・フィクション以外もう読むつもりはありませーん(苦笑)。 (2004/08/29 12:38)
ふりすか > 「根本的な部分」か、そうかもしれませんね! なんかわかります。こんだけ素材を用意するまではよかったのに、料理で台無し、みたいな。わたしなんて「アジアンタムブルー」を読んだときは泣いてたくせに、これですよ。今読んだらどうだかわかりません……。 (2004/08/29 12:40)
ふりすか > 七生子さーん、見つかっちゃったわ(笑)そうか、ダメダメな主人公を肯定してる作者がダメダメか! なるほど〜確かに! asahi.comの作家に聞こうに目を通してますます……(以下自粛) (2004/08/29 12:49)
まゆ > 大崎さんの将棋ものノンフィクションがとってもよかったので、期待して読んだ割りにはイマイチ・・・という印象でした。なんでダメだったんだろうと思ってましたが、ふりすかさんの感想読んで、「ああ、そういうことだったかも」と思ってしまいました。私はセンチメンタルなのは嫌いじゃないので、冒頭はよかったんですけどね。登場人物誰一人として好きになれなかったんです。 (2004/08/29 16:54)
ふりすか > 私もセンチメンタル嫌いじゃないんです。そういうの、小説で読みたいってば!って思ってるくらいです。でも、これは違いました。まゆさんのいう通り、冒頭は期待しちゃいましたよ。。。 (2004/08/29 22:21)
くるったへいし > はじめまして。自分の感想を書く前にどんな感想があるのかチェックしていたら、自分とほとんど同じ感想だったので、もう書かなくていいかなーと思っています。浅い、くさい、むっつりスケベ、三拍子そろってますね。まあ、男としては分からなくは無いです。自分のセンチ欲(造語)を満たすのはいいけど、世間に発表するんなら、もう少し読者のことを考えたほうがいいのでは?一つ一つの表現や物事の捉え方は悪くないんだけど、あまりにも自分のセンチ欲に引っ張られすぎ!担当編集者は何やってるんだ!自分が編集だったらもっとましな方向にもっていくけどな、と妙な方向に矛先が向いてしまいました。 (2004/09/09 16:22)
ふりすか > くるったへいしさん、はじめまして。そんなこといわず、ちゃんと感想残して下さいよ〜。とくに男として分からなくもないところ! よろしくね。 (2004/09/09 18:12)
イトコ > はじめましてこんにちは。私もこの本はダメだったけど、「将棋の子」は本当に良いから、挑戦して欲しい! (2004/10/06 01:31)
ふりすか > イトコさん、こんにちは! そうでした、「将棋の子」忘れてました。手帳にメモしとかなくっちゃ! (2004/10/06 10:58)