チョコリエッタ 大島真寿美

チョコリエッタ

チョコリエッタ

表紙のたよりない線画の犬。
犬派の私はそれだけでワクワク。それに、私を好きだという男が「君はこの本、絶対好きだよ」っていっていたし。
でも、表紙をめくって嫌な予感がした。見返しにフェリーニの「道」のスチールが使われていたんですもの。。
チョコリエッタってジュリエッタから来てんの? スカしてるー!
かわいくないじゃん、それじゃあ。
まず、フェリーニの映画を取りあげてるところで私的にマイナス。
しかも取りあげ方が中途半端で、それを語る父親はカッコよくもなんともないし。
んー、そりゃあね、母親を失って反発する気持ちはよぉ〜くわかります。
でも、でも、いつまでも甘えてんじゃないよ! って喝いれたくなりました。
メインは、映研の先輩との変わったひと夏の交流なんだろうけど、母親代わりの父の妹、霧湖ちゃんとの関係だとか、だいたい父との関係とか、田舎の祖父母との関わりももう少しどうにかなりそうなのに、残念。
だいたいね、霧湖ちゃんが就職あきらめて姪っ子の世話をしたって時点でダメ、そして、その生活がネックになって結婚しづらいって本人も周りも思ってるところがダメ。
著者はわりと若めの女性だろうに、こういう考えを作品に反映させてるなんてどうなんでしょう。
個人的には、ナナメに構えた素直になれない、変わった女の子は好き。
でも、この話では、だからどーした? っていう感じでした。

それにしても、私を好きだという割に、なんでこれを私が好きだと思ったんだろうか、あの男は。なぞ。