すきもの 前川麻子

すきもの

すきもの

たまたまWEBで見かけて興味を持ち、図書館で検索してみた。
棚にあるという状況だったのに、あるべきところにはなく、プリントアウトした書誌データをカウンターの人に渡すと、捜索に出てなかなかもどってこない。
タイトルや、この中身だけに、未成年には貸し出ししないという対策なのかな?

30代の女性が描いた性をテーマにした短篇集と知れば、エロ好きの私としては見逃せない(笑)
てっきり女性の目線で描かれたものばかりと思っていたけど、そうでもなく、その点、ちょっと期待外れ。
とくに、冒頭の「悪霊退散」なんてほんとに面白くて笑っちゃったし、「覆面男」は哀れだった。「すきもの」の女性の哀しいまでの、性への執着。「携帯情事」なんて壮絶。延々読ませておいて最後にこれか! やられた!! という感じ。
でも、男性、女性、同性愛者、性を仕事にする者、そうでない者。
結構多角的な視線で描かれているのはたいしたものだと思う。
それにやっぱり、語り手が男であっても、ゲイであっても、性表現は女だな、って思えたので、自分の存在意義や価値を、体(裸)や、セックスでの結びつきに求める気持ちもわからないわけでないので、結構きつかったけど読み切ることができた。
(痴漢と、スカトロはそれでも不快になったけど)
セックスってなんだろね。ほんとに、なんだろ。
ちょっと甘い点数をつけちゃいました。