庭の桜、隣の犬 角田光代

庭の桜、隣の犬

庭の桜、隣の犬

とうとう、角ちゃんも夫婦ものを書くようになったんだーと感慨もひとしお(笑)
房子と宗二は子なしの30代後半夫婦。
房子は専業主婦でしょっちゅう実家に遊びに行き、晩ご飯のおかずをタッパに詰め、アイロンがけをしてもらったワイシャツを持ち帰る。
私はこの妻の日常を夫の宗二が知っているかどうかがとても気になった。
どう考えても知らない様子。それって妻になんの関心もないということでしょ。
その時点でこの夫婦のあり方は私にとってはナシなんだけど。
 「ゼロのものにゼロを足してもゼロじゃん?
何か、私たちが何をやってもゼロになる気がするんだよね」
そうでしょうねえ〜。
しかも、何かをしようという気が元々まるでないんだこの2人。
だから、ゼロ以上になることがなさそう……。
夫婦でいる意味もないけど離婚してどうする?というビジョンもない。
ところで宗二の描く、描いてきたビジョンって単なる空想か妄想だったりするので笑えた。そういうことに対してのアクションが起こせないのよね。
なんで結婚したんですかね、この2人。
もちろんしない理由が見つからないというのもわかるんだけど……。
幼いと言ってしまえばそれでお終いなんだけど、結婚という形態をとっているだけでほかは今までの角ちゃんの作品によくある「いい年したフリーター」と同じ。
は〜成長するってたいへん。
何かのきっかけがないと前進も後退もない、不思議な感じ。

余談ですが、宗二にまとわりつく「和田レミ」という女の子の名前……どうしても平野レミが思い浮かんで困った(爆)だってレミさんのダンナさん和田誠なんだもん。しかも、必ずフルネームで登場するんですもの。

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ケイ > 初めまして。角田光代さんも注目してるんですけど、多分今のリストでは、読める可能性は限りなくゼロ。(リストを作る私って)この夫婦みたいですね。角田さんが好きなのは、正直に今を書いて、愛とか打算すらない、男女が出てきたりするところ。とても寒いところ。計算もあるのかもしれないけど、してもしょうがないなあと諦めてるのか。あとは、必要ないんだと思う。実家に依存してる、妻も無関心な夫も、どちらも生きていけさえすれば、いいと思ってる。困らない限り、エゴとも気付いていない、自己中や自己責任なんて言葉も、放り投げている。思いつくまま、並べましたけど、でもおもしろい、、と思う。レミと和田、、そうですよねぇ。相変わらずおもいろい、角田さん。(ちがう?)鋭い書評で、うんうんと頷きながら読んでいました。 (2004/11/12 21:44)
ケイ > おもいろいって、、あの。すみません、、夜って、ミスが増えますね。直さないで帰ります、、とぼとぼ。 (2004/11/12 22:00)
ふりすか > ケイさん、はじめまして。コメントありがとうございます。ミスなんて気にしないで下さいね♪私もしょっちゅうで気がついても直さないことも多いです(苦笑)さて、角田さんの描く夫婦像、変な表現ですけど、普通ですよね。江國さんの作品にによくあるセレブな匂いとかもしないし(爆)変に気取らないところが良いような。多分、こんなダメダメな生き方を、肯定してるわけでもなく、否定もしてないという感じですよね! (2004/11/13 00:01)