イン・ザ・プール 奥田英朗

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

予約メモを見たら9月10日に予約した本だった。
11月に入荷した本なので、ぼろぼろを覚悟していただけに美本でうれしい。

神経科を舞台にした、心の病を抱える患者のお話としか知らなかったので装幀の印象からも、てっきりシリアス系の作品だと思いこんでいた。
ところが、軽いというか、笑える話ですねぇ〜。
5編収録されていて、婦人誌の副編、バツイチの営業マン、男子高校生、コンパニオン、フリーライターの、病気が治るまで(?)を描いてます。
何とも怪しいのが主人公である神経科の伊良部先生とナース・マユミちゃん。
マユミちゃんは謎めいているという感じなのだけど、伊良部先生は謎多すぎ!
一応伊良部総合病院なんだから御曹司のはずなんだけど、しいたげられてる感が強くて。
だから、伊良部先生が、どこまでは本気でどこからが演技か、このお話がどこまで
ほんとうでどこからが嘘なのか(そりゃあ、フィクションなんだけど)、もう、わけがわからないよぅ。
これは、やりようによっては病気の数だけお話ができるわけで、どれだけ続くかもみもの。
ドラマにもなっちゃいそうだなあ。二時間ドラマ(笑)
まあ、翻弄されちゃったわけですが、次の「空中ブランコ」も楽しみだ。
なんてったって直木賞とったんだし。
これが直木賞かっていうとちょっと弱いかな、って思いましたから。
でも、この馬鹿馬鹿しさはキープで。