間宮兄弟 江國香織

間宮兄弟

間宮兄弟

わー、何だかすごいな、この話っていうかこの兄弟?
こんな男性を主人公にしても、ばっちり江國カラー。
しかし、江國さん、兄弟に対して容赦ないなー。

たぶん大多数の女性読者が持つ感想であろうが、私も間宮兄弟は無理。
もちろん悪い人ではないどころか、どちらかといえばいい人なんだろうけど、いい人といわれる男ほど面白みがないというのもよくあることで(苦笑)
料理もするし、映画や本の趣味も悪くはない。
誘った女の子が「浴衣着ていこうかな」という言葉で浴衣新調しちゃったり、行動的な一面もある。
一体どうしてこの兄弟がダメなのか。
いくら自分から女の子にアプローチしたところで、実際に自分の生活に入り込まれたら嫌だろう、っていう匂いが全編に充ち満ちているから。
この人たちの生活はこういうもんだ、っていう形式というかお約束が大前提で。
こういうときはこうするもんだ、っていう。気持ちが伴ってない感じ。
だから田舎に住む母親のお誕生日に必ずお食事に招待してお祝いするのは、親孝行のいい息子たちなんだけど、それに気持ちがこもってないというか、そういうものだから、そうすることになってるからという感じなんだよね。
だから、当然、女の子たちともうまくいきませんよ。あたりまえでしょう。
それに、二人そろってソープ行って喪失するなよぅ。
それはそうと、脇キャラがいいですね。
私は、大垣沙織が哀しくてたまらなかった。夫の賢太はわかってない!
どうして、外の女をとるんだろう? 別でしょう。
いくら結婚しないつもりでも、私はあなたがわかりませんよ。
あなたの責任は、結婚生活を維持させること。
妻の沙織に対して離婚で誠意というのは違う。むしろ逆だよ。
安西美代子もわかりませんよ。私だったら離婚なんてされたくないって。

そうだ、それより私が何度も読み返してしまうところがあった。確認の意味で。
ストーリーにはまったく影響ない、スコッチ呑みだけが引っかかるであろう箇所。
ノッカーのついた重い外扉、地下に降りると黒服が内扉を開けてくれる、スコッチウィスキーに魅せられてたびたび彼の地に足を運ぶような店主のバー──どこをモデルに書いてるのかな〜?と思いをはせちゃったんだけど──で、“スコッチをダブルで”オーダーするか〜? そんなお店がそんな出し方しますか?
しないよねえ。ダブル呑むならショットで2種類呑むよ〜。
賢太も店主と同じくらいスコッチについて語れて足を運んでるほどなら余計にそんなオーダーはしないはず。
連れられていく明信が水割り呑むのはわかるけどねー。
どんなスコッチを飲んだのか銘柄まで書かれてたら面白かったのになあ。
映画や本は具体名が出てくるのに。
あ、それは兄弟のことじゃないから書かれないのか。
ああ極めて個人的なポイントでした。

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はるじおん > ふりすかさーん。見つけたよん。「間宮兄弟」読みたいです。まだ読んでないんだけど。「冬のソナタ」完全版見てるぅ?何度見てもいいのよー。純情だねって、母に言われちゃったんだけど、純情ってなんなのかしら?わたしも辞書引いちゃいましたわ。純情なのかな。。よくわからん。。 (2004/12/21 21:40)
ふりすか > 辞書を引かずにはいられませんよね!「冬ソナ」完全版は未見です。いつかは超えねばイケナイ山場ですね……。 (2004/12/21 23:03)
エリコ > はぉ、そうか〜。>間宮兄弟がNGな理由。ふりすかさん、さすがです。離婚で誠意、っていう考え方は最悪ですよね。自分に甘すぎです。
スコッチ飲みではありませんが、ダブルの話はそうですねぇ。高めのお酒で迷ってるとき、バーテンさんが「ハーフで両方飲みます?」って言ってくれるとうれしい♪ (2004/12/22 00:38)
さくら > 一読者としては、ほのぼのと出来る二人だけど、一緒にそばに居るのはやっぱりパスですよね〜。すごく好きでもなく、すごく良かったわけでもないけれど、でもこの本読み終わってホンワカとした気持ちになれました。 (2004/12/22 18:58)
ふりすか > そうよね〜、何か、賢太ってカッコつけて離婚!っていってる感じなのよ。
さくらさん、こんばんは〜。多分身近に居たらあの兄弟キモイよねぇ〜とか口走っちゃいそうですよ、私(爆) (2004/12/22 22:15)