海猫(上・下) 谷村志穂
- 作者: 谷村志穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/28
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読もうと思ったきっかけはやはり映画化。
とりあえず、伊東美咲と佐藤浩市と仲村トオルを思い浮かべながら読みました。
なかなかいいキャスティング。でも映画版は微妙に設定が違うのね。
別に原作通りにしろとはいわないけれど、ちょっとそこを変えるの? ざんねーん!と思わずにはいられない。
まあこの量を映画の尺におさめるにはしょうがないのかな。
昭和30年代から50年代にかけての女3世代にわたる物語なのですが、
映画は観ていないけれど、兄に嫁いだ嫁が、弟とも愛しあうという、いわゆる三角関係の印象が強いんだけど、もっと時代に幅があったのね。
何がいいって、タミの生き様でしょう。お見事。
あの時代にロシアの混血の男性と駆け落ちして、戦死を認めない(認めたくなくて)生き抜いた女性。
登場人物の誰より輝いていたと思う。
確かに、息子に対する偏愛ぶり(とくに上巻)は苦笑ものだけど、似たような親はいつの時代も居るような気がするわ。
ま、それはさておき。
薫、邦一、広次、それぞれのそれぞれに対する気持ちは理解できなくもないし、娘の美輝、美哉の性格付けとか、よくわかる。
教会(宗教)を絡めるのはどうなんだろう。何か中途半端。
でも、これだけの年月のこれだけの背景を抱えた人間関係を描いた作品なのに、もっと心にズシンとくるものがあってもいいのに、私に感じられないのはなぜ?
もしかしたら作家の力量?
あー、大した読書量もないのに大胆発言ゴメンナサイ。
何かもったいないな〜。こんなお話だったらもっと私興奮できるはずなのに。
あと濡れ場の表現もこう書いときゃいい?みたいな感じ。
だからあんまり色っぽい気分にはなれませんでしたね〜。余談です。
ネタバレがあります。
薫と広次と娘たちが漁村から逃げるとき、なんで途中で車停めるのよ?
生きるために逃げ出したんじゃないの? 甘いんだよぅ。
薫よ、何で自分から刺されに行っちゃうかなー?
広次よ、娘も守るんじゃなかったの? あそこで死ぬかな〜。
そんなもんだったのかね、あの覚悟は。残念だよ。
邦一殺してまでも生き抜かねば。それがあなたの責任だろーって思いました。