くらやみの速さはどれくらい エリザベス・ムーン
- 作者: エリザベスムーン,Elizabeth Moon,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
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だから、この作品について語ることはほんとうはしちゃいけないことだと思う。
しかし、世の中には、自閉症に関する知識を持ってこの作品を理解してる人がいるのかな?
舞台は近未来、主人公ルウはいわゆる自閉症最後の世代。
幼児期、あるいは生まれる前の治療によってなおる時代になっている。
ルウは、社会的にも成功しているといえる才能を持っている人物である。
そんな、ルウの視点で描かれている。
だから、言葉や考え方が「ノーマル」な人たちとは異なっているので、翻訳小説であると同時にそれが私にとって読み進みにくい要素になってたり。
でも私は自閉症に関する知識がないからそれが正しいのか、また、そういう人がいるというのわからない。
だから、あくまでルウという人格として理解するしかないのだ。
キレイゴトをいうつもりはないが、ルウほどの人間ならば、それ(自閉症)をその人の個性といえる範囲ではないかと思う。
彼らのような人間を疎んじる人々、個性として、ありのままを受け止める好意的な友人たち、両者が描かれているのも、ルウという人間の存在位置というのかな、それが良くわかる。
なかでも私にとって印象的だったのは、教会の神父さんとルウとのやりとりだ。
「ぼくの両親は、これは偶然に起こった事故だと言いました。
あるひとたちは生まれつきでこうなのです。でももしこれが神のしたことだとしたら、それを変えることは間違いではないでしょうか?」
という新しい自閉症治療を受けるかどうか、考えるルウの言葉が印象的。
何が彼を決心させたのだろう。読み終えてもやっぱり私にはわからない。
ラストはハッピーエンドといえるのかな? それはルウにしかわからないんだろうな。
何ともいえない余韻を残してくれる作品ではありました。
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nanao > こんばんは。
この作品は今積読中なんですが、やはりおもしろいようですね。
ハッピーエンドかどうか、ルウにしかわからない。
そうかもしれない。当事者だからわかることなのかもしれませんね。 (2005/01/25 21:00)
ふりすか > nanaoさん、当事者でもわからないのかもしれないんじゃないかと思ったりします。……うまく言えないんですが。前に、聞こえない人が人工内耳をつける手術で聞こえるようになる技術もあるけれど、自分は受けたくないと言っていました。音のある世界は今さら取り戻しても馴染めないというのです。なんとなく、そのことを思い出しました。 (2005/01/25 22:01)