『ガールミーツボーイ』野中柊

ガール ミーツ ボーイ
夫・田口に失踪されたシングルマザー・美世と息子・太朗の日常と、その夫との顛末。
最初は、夫に失踪されたらどうしよう、こぇぇ〜と思いながらも、子どもはいるし、仕事も続けられてるし(結婚前からの職場だから、産休育休ちゃんと取れたのかしら?
と余計な心配)、都合よく協力してくれる友だちやご近所さんはいるし、両親は健在だし、その気になれば再婚の口もないわけではない(離婚は成立してないけれど)んだから平和だよな、などと意地悪な目線で見てしまう。
子育てに振り回されてるだけに、日々の小さなことにいちいち気にしていては一日が終わらないだろうが、そうじゃなかったらどうなっちゃうんだろう。
ああ、コワイ。

あっという間に恋に堕ちて勢いで結婚し、予定外ではあるものの子どもまで授かっちゃって、なのに、夫はいきなり失踪。
美世は、ほんとに夫が好きだったのかすら実感できないまでになっている。

以下ネタバレ
結局、夫が息子とこっそり会っていて、それが母親の美世に明らかになったころ、もう会えなくなると息子に伝え、美世に連絡をとる。
をい、失踪した理由ってなんだよ? こんだけ迷惑かけてそれで終了? 許せん、この男。
何でこんなにあっさり離婚届にサインして届け出ちゃうわけ? この女もわからん。
しかも、女がいて、子どもができたからだとぅ? 殺す!
揚げ句の果てに、君は自分のことが好きじゃなかったとか見ていなかったとか、わけのわからぬことをほざきやがって!ボコボコにしたいんですが。失踪する前にいくらでもやることがあったでしょうに。
で、何でほかに女だけでなく、子どもができたからって、息子に会わなくなる理由にはなるわけ?
完璧に「捨てる」って感じだ。
太朗よ、そんなパパは君のことなんて見てくれないよ、そんな男にはなるなよ。
なんか、肝心のことがぼやかされていて、そこをさらっとかくのがこの人っぽいのかしら?
書き下ろしの「ボーイミーツガール」も全然おもしろくなかった。微熱でぼーっとしてたせい?