『人生ベストテン』角田光代

人生ベストテン

人生ベストテン

どこにでもいそうな人々の悲喜こもごもを描いた短編。
最初の二編はこう言っちゃなんだが、そうそうこの調子、角ちゃんらしい、平均点いってるわー、このままなら★3つかしらーというような印象だったんだけど、三編目からリアルさとが鋭さが、俄然パワーアップしてると感心した。
話の内容として、私的に好印象を受けたとか、こういう話が大好き!というわけじゃないけれど、認めざるを得ない、角ちゃんの力を感じる。
もともと短編が好きなせいか、私は「対岸の彼女」より好きだな。
ナラタージュ」とは違う種類の痛みがありますね。。わかるけどわかりたくな〜い、というのかな?
それぞれについてコメントしようかと思ったけど、やめました。
それにしても、舞台が吉祥寺ばっかりだなあ。
私には土地勘があるから、はっきり地名が出てこないところも吉祥寺だってわかって、そういう部分も重ね合わせて楽しめる描写や情景があるんだけど、これって知らない人にはどう感じるのかな?
(たとえば、最後の「貸し出しデート」の待ち合わせの喫茶店の描写なんて、ありゃー! あんなところで!と思い浮かべることで状況を把握したり。。)