『野ブタ。をプロデュース』白岩玄

野ブタ。をプロデュース

野ブタ。をプロデュース

文藝賞受賞で芥川賞候補にもなったということ以外の予備知識なく読みました。
たぶん、目のつけ所とか、こういう軽さはおもしろいんだろうけど、「辻ちゃん加護ちゃん卒業だ」って言ってるのに、「パトラッシュ」とか「南ちゃん」とか、なんか世代的な統一感がずれてるのは計算なのかしら??
軽くてアホらしいのは嫌いじゃないです。
冒頭の主人公の家での描写、なくても困るんだけど、中途半端だなあ。
「放火殺人死体遺棄の容疑」なんて物騒な言葉も、なんか寒かったし。
プロデュース自体も、ほんとに野ブタは人気者になれたのか、いまいち伝わってこなかったし、キャラが濃いようで最後まで薄かったし、具体的な日々の努力ももっとおもしろく書けたんじゃないかな〜(洗顔料のエピソードとか、あれだけ?みたいな)主人公の修二がなんでこんなに軽薄でいるのか、仮面をかぶって(本文には着ぐるみショーとある)日々生きているのかも理解できなかったし。
もちろん、そんなことに取り立てて意味はなく、楽だからという理由なんだろうけど……。
そういう不満もありつつ、最後はどうなるかしら?と少しは期待しつつ読んだんだけど、あれれれれれれれれれ〜?
野ブタも「お世話になりました」ってそれだけかよ、おい!
なんか、読み終わってイライラする作品だった。
あれも、これも、どーしてくれんのよ!っていうエピソードがね。。
それで、こんどはセルフプロデュースですか? はぁ〜?
なんか、寄る年波のせいかしら。若い男の子にはついていけないのね。。
ふー。それに、私が思うような要求を満たすと、文藝賞じゃなくなっちゃうんだろうね(涙)

                                                                                                                                                              • -

さんど > すいすい読めて、展開は速いし、エンタメ的には面白かったんですけれどね。主人公が改心しないのは、それで良し、なんだけれど、もっと本質的に叩きのめされ絶望した上で、ふてぶてしく開き直ると、おおっと思えたかもしれません。野ブタの造形も単純すぎましたね。 (2005/04/08 07:09)
ふりすか > さんどさん、そうそう、悪くないんです、決して。私が欲しがりすぎるだけみたいで。でも、リスタートするにはもっと何かあってもいいのにな、とは私も思いました。次に期待? 出るかな〜? (2005/04/08 09:15)