『雪沼とその周辺』堀江敏幸

雪沼とその周辺

雪沼とその周辺

こういうのを上質な作品集と呼ぶんでしょうね。
本編だけでなく、書体も装丁も、どこをとっても品が良いいというのかしら。
派手な出来事も登場人物もいない。
普通の人々の日常が、暖かい目で描かれている。それも、ドライな感じで。

実は、精神的にあまり余裕がないので充分この本を楽しむことが出来ていない。
もっとゆったりして、穏やかな気分の時に再読したいと思っているので中途半端な評価。

知りあいに「私の姉は堀江敏幸の追っかけなんです」と、もちろん実際追いかけてるわけでなく、作品が掲載されているのをもれなくチェックするというファンが世の中にいる……それがわかったような気がしました。

                                                                                                                                                              • -

さんど > わりと、いい作品集でしたね。料理教室の話。書道教室の話。レコード店の話。中華料理店の話。色々と思い出します。木山捷平文学賞、というのも、ああ、いかにもだな、という気もします。堀江さんの日本モノでは『いつか王子駅で』も好きな作品なのですが、バランスがあまり良くないんですね。 (2005/04/17 19:59)
ふりすか > さんどさん、こんにちは〜。きちんと噛みしめるように読まねば味が出ない感じで、ちょっとさらーっと読んじゃってもったいなかった気がしたんです。さんどさんみたいに、時間が経ってもいろいろと思い出させる作品かな、と。 (2005/04/18 10:53)