『古道具 中野商店』川上弘美

古道具 中野商店

古道具 中野商店

素直におもしろかったです。
読み始めは、あの、もったいぶった書体が、やり過ぎじゃないの? ウザイなあとも思ったけれど、すぐに慣れちゃいました。
ペースをつかむとズンズン読み進むことが出来て、結構読んじゃったなあと思ったところでもまだ半分で、でもそれはよかった、まだまだ読めるわ……というような、ちょっと予想外の、奇妙なうれしい感覚だった。
なんとなくヒトミちゃんのこう、欲のないような(世間とか社会とかにかかわるようなものに対してであって、個人的な欲はあるのだ)雰囲気はこの前読んだ「泣かない女はいない」の主人公っぽいところもあるけれど、でも、断然ヒトミちゃんの方が交換持てるのは何故だろう。
絶対、似たそうな温度で(低いっていうか?)いきていると思うんだけど。
そんな比較はどうでもイイですね。
中野商店という骨董屋でなくリサイクルショップでもない古道具屋を舞台に繰り広げられるさまざまな恋模様。
決して派手ではないけれど、それぞれの年代のそれぞれのあり方がとても自然で。
とにかく、川上ワールドではあるんだけど、普通の人々の、ばか正直というかあっけらかんとした言動や生活が心地いい。
何といってもマサヨさんのキャラが秀逸。
あんな老婦人になりたいな。
読んだ人にしかわからない書きようになってしまった。

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nanao > 何といってもマサヨさんのキャラが秀逸
そうですね。近くにいたら毎日メリハリがありすぎて、元気モリモリでしょうね。 (2005/06/17 19:01)
ふりすか > nanaoさん、こんにちは。
毎日いたら、パワー受けすぎて疲れちゃうかな?(笑)
何となく、マサヨさんと中野さん姉弟の関係もいいなあと思いました。

変換ミスも恥ずかしいわ。交換→好感 (2005/06/18 12:00)
青子 > ふりすかさん、読まれたのですね。いいなぁ。私はまだ、図書館から連絡きません。ふりすかさんも、高評価なのでますます楽しみです。 (2005/06/18 23:29)
ふりすか > 青子さん、いらっしゃいませ♪
表紙は何だか上品すぎるけど(古民具って感じでかわいくてすきなんだけども)、イイ意味でギャップがありましたよ。
図書館からの連絡、待ち遠しいですね! (2005/06/19 00:27)
さんど > そう、温度ひくーい感じで、なんとか生きてる感じがしますね。『泣かない・・・』はなんというか違いますね「不条理な心理も生理的に辻褄があってしまう」感覚の妙が、こちらにはあったかな。そして、いちまつのイジラシサも。 (2005/06/21 19:06)
ふりすか > さんどさん、なるほどね。
何となく、ああいう欲のない女性というか、そういう意味で似てる感じがしたの。
おんなじとは思ってなかったんだけども。
こっちの方が断然好きです! (2005/06/21 20:50)