『くうねるところすむところ』平安寿子

くうねるところすむところ

くうねるところすむところ

30歳にして人生どん詰まり梨央。一目惚れしたとび職を追いかけて飛び込んだ工務店では、
亭主に逃げられた女社長がぶち切れ寸前。なにがなんだか大混乱。
それでも家は建てなきゃいけない。だって、お仕事なんだもん。


と、帯にあるらしい。(図書館本なので不明)
ちなみに女社長は45歳で大学生の娘がいる。
30歳は不倫からの脱却、45歳は成り行きで社長に……立場は違えど、人生の岐路に立たされ、その環境の中で自分なりに目一杯がんばるというお話なんですけど。
私はちょうど彼女らの中間の年齢。
30歳だったこともあるのでなんとなく、梨央の気持ちや行動はわかる部分もある。
一目ぼれした相手も、単なるきっかけ、通過点だろうということも。

なんだか、ちょっと今までの平安寿子作品の主人公とはイメージが違うかな。
何となく、まっとうすぎるんだよね。。
自分がそうじゃないから好きだったりしたんだけども、今回は、いわゆるいい話色が濃い。
例えば棚尾さんの家を改築するにあたっての家に対する思いや考え方については、私もこんな家がいいよなあ、なるほどなあとも思うんだけど、なんか、いい子ぶっちゃって鼻につくわっ!って感じ。
そう、逆境にぶちあたりながらもそれぞれの立場の中で努力する姿……なんだけどねー、悪人が居そうで居ないんだよな、読み終わってみると。
この物語の続きには居るんだろうな、そうじゃなきゃ嘘だよね。
必ずしもいい結果だけが待っているとも限らないような。
いいところで終わってる。
なんとなく、おとなしく収まりすぎてというか……及第点って感じなの。
あ、でも、おもしろいですよ。わたし、平安寿子も好きですし。
平安寿子が妙に落ち着いちゃいそうな予感がしたので辛口になっちゃいました。

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さんど > 来週読みます。平さんて年齢を知っていると、ああ、なるほど、という感じがしますね。なんだったか連作短編に、女性の壁紙貼り職人の話があって、けっこう好きだったので、ちょっと期待はしているのですが。 (2005/07/01 12:14)
ふりすか > 私の書き方が、あまりに偏っているというか思い込みの部分があるので、申し訳ないです(汗)
さんどさんの感想、楽しみにしています。 (2005/07/01 23:34)