「ひとり日和」青山七恵

ひとり日和

ひとり日和

毎回受賞作を欠かさず読んでいる職場の大ボスから文芸春秋を借りて読んだのですが
大ボスは「正直わからん。慎太郎(大ボスと同世代)がほめてたっていうのに。
振り返ると、金原ひとみ(とか綿矢りさ)はたいしたもんだ。
当時は驚いてばかりだったけど」というコメントとともに。

私はひとみちゃんの作品は恐ろしくて読めないのだけど(苦笑)、
この前のトークショーで小説に何を求めるかっていうと「驚き」だと
トヨザキ社長が言っていたことを思い出した。

別に派手な事件とか、とっぴな設定だけが「驚き」ではないんだけど、
この作品に特段驚きや、感情に訴えるものは私にはなかったってこと。
平凡な日常や普通の人々のお話、大好きなんですが、
これはピンとこなかったなあ。
いろんな意味で「驚き」がないってことなんだよねー、早い話が。
なんというか、わりとどこにでもありそうな風景や人間関係や感情が、
なんか、想像だけで書かれてるような印象というか。
登場人物がすべて架空の人って感じで(もちろん実際そうなんだけど)
ぶっちゃけなにもかもが絵空事、みたいな。
たとえば、申し訳ないけど、作者は男と付き合ったことないだろうなー、
コンパニオンのバイトとか書いてるけど、お酒の場、苦手な人なんだろうなー
とかつい頭をよぎってしまう。
別に想像でものを書いちゃダメとか当然そういう意味ではなくて、
なんつうか、想像して書いてる自分(著者)が主人公になっちゃってるように
思えちゃう。私には。
なんか、だったら柴崎友香に賞あげてよ、って思ってしまいました。

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はるじおん > わたしは結構おもしろいと思ったよ。>作者は男と付き合ったことないだろうなーとか、お酒の場、苦手な人なんだろうなーとか、フリスカさんにはわかっちゃうの?すごいなあ。
こういう軽くタルイひとってわたしにはなんとなく新鮮だった。↓スコーレもおもしろそうね。読んでみます。
(2007/03/06 20:26)
ふりすか > なんていうか、わかっちゃうというよりも、そういう感じで書いているという雰囲気がするというのかな? そういう作風の人なのかな、とも思っているんだけども。まあ、圧倒的に好みの問題なんだけどねー(笑) (2007/03/06 22:41)