「大きな熊が来る前に、おやすみ。」島本理生

大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

イヤーなんか惜しい。
確かにものすごく上手ではやっぱりないんだけど、作家としての心意気というか、情熱のようなものはすごく感じます。
ただ、主人公の女の子たちに血が通ってないというか、ただ冷めてるだけでもなく、こういうのが芸風…じゃなくて作風なのかな。
なんというか、あと、やっぱりまだまだ主人公の女性たちの幼稚さが気になってしまいました。
これも、芸風…じゃなくて作風なのかもしれないけど、そのせいで核心までたどり着けないような。。
あとなんですかね、編集担当ちゃんと仕事してくれって感じです。
ちょろいもさんも指摘されてて、私だけが突っ込みを入れてたんじゃなかったのね!と安堵しました(苦笑)

  • 表題作

あんまり好きじゃないです。
妊娠をきっかけに物語が展開するのって安易過ぎると思うし、「何かの間違い」と心底ビックリするなら2ヶ月でしょ。
しかも、風邪ひいて病院行って診断されませんからー。
で、
やっぱりDV男と離れられない理由をもっと突っ込んで欲しかった。
人はみんなダメだというだろう…ってその先を、それでもそんなことわかってても離れられない彼女なりの理由が、必ずしも納得できるものでないにせよ。

  • クロコダイルの午睡

これ、好きです。とっても好き。食いしん坊だから?(爆)

  • 猫と君のとなり

別に元彼の猫虐待なんてなくても成り立つ臆病な恋愛話じゃないかなー?
なんていうか、その元彼と新しい彼はダブらないんだから、踏み込めない理由にはいまひとつならない気がします。

なんだかんだ、文句を言っても、作家って感じがして見逃せないです。

                                                                                                                                                              • -

kanakana > 私はけっこう好きでした。暴力を振るう人と付き合うなんて絶対理解できないのに、それでも面白かったんですよねー。読後感も良くなかったのに。自分でも不思議です。 (2007/09/09 21:07)
ふりすか > kanakanaさん。私、表題作、ちょっと甘い部分が気になっちゃって(汗)もちろん私も絶対理解できないんですが、世の中ダメ男とか、ワルとかと離れられない女性っているでしょう?自分にはありえなくても、彼女たちにとってはそれなりの理由がわかるんですけど…そこを書いてくれれば傑作なのにーと勝手なことを考えてしまいました。 (2007/09/10 14:20)