「医学のたまご」海堂尊

医学のたまご (ミステリーYA!)

連載当初、2号ぐらい読んでいたけれど、なんだか乗れずに結局単行本で完読。
ミステリーYAシリーズということで１０代向きというのが建前だけど、実際は大人の読者が多いとか。作家についてる固定ファンが多いらしい。そして、連載のときと同じく横書き（笑）聞いた話によると著者の要望で会社は頭抱えていたというが、今はやりの携帯小説が横書きだということを実は意識もしている節があります。

前置きが長くなりましたが、やはり横書き、読みづれえよ！（怒）と辛抱しつつ、読み進んだら、慣れてきたらさくさくと読み終えてしまった。そして、ラストでちょっとうるっと来た。
よく出来てるなあ。きっちりYA世代にうったえてる内容だし、いつもの通り、ほかの海堂作品にリンクしてるわけだし。しかもわかりやすくリンクしているので私にはとってもありがたい（苦笑）
あとがきも気が利いてるし、YA世代向けに書かれているけれど、ぜんぜんバカにしてない。好感が持てます。ある程度の読み手の人には物足りないかもしれないけれど、とてもすがすがしい読後感です。
父と子の関係も良かったです。父はメールの文面でしか登場しないけれど、その文面も冗長ではないのでなおさら。