『がらくた』江國香織

がらくた

がらくた

amazonのぞいたら、意外に評価低いんだよね。
けど、読んでいて何度泣きそうになったことか。といっても、いわゆる「泣かせる本」ではない。
この夫婦関係と、主人公柊子の思いの端々がズキン!と来る。決してこの夫婦に自分を重ね合わせたりは出来ないので誤解なきよう。
それでも、線ひいたり、付箋貼ったりしたくなりました(笑)図書館本だからしなかったけど、文庫が出たら買ってやってみよう(笑)
もちろん、とにかく、セレブ臭プンプンではあるのだが、そうであるからこそ描けるというか成り立つ世界なんだから仕方がない。
この作品にまつわるインタビューをいくつか読んでなるほどなあとも思えたし(セレブ肯定というわけではない)、江國さんの持ち味は充分出ていると思う。
もちろん、あんな人間関係の中に自分の身は置きたくないし、きっと好きではない人種だと思う。
amazonのレビューで「15歳の女子高生が45歳のおっさんと寝るなんてキモチワルイ」とかなんとか書かれていたけど、そうかなあ。「原さんならアリじゃないかなぁ? テレビ局勤めの男の言動というか立ち振る舞いは、小娘を惹きつけるに充分だと思うよ。あ、これは私の偏見です(笑)
すごく好きな話、ってわけでもないし、好きな登場人物は特に出てこないし、共感だってしていないのに(部分的な描写以外は)、なんだか心をかき乱される、不思議な読後感でした。