『カツラ美容室別室』山崎ナオコーラ

カツラ美容室別室

カツラ美容室別室

不思議な話。大人の友情物語なんだけど、どうも、「カツラの美容師桂さん」という設定ありきで書かれたのかなあ。
確かに面白いし、そういうギャグ?好きだけど。桂さん、出オチってっ感じ。
ううーん、評価が難しいな。

恋愛至上主義、セックス至上主義、
そしてわかりやすい関係に逃避する小説への、
これはやんわりとした異議である。
そうだよ、友情は10代の専売特許じゃないんだから。


と、斎藤美奈子の評は締めくくられている。
その言葉には納得するけれど、私にはここに書かれているものが、友情なのかと理解できなかったんだよね。
特に桂さんと従業員たちの。あとは、主人公淳之介の下心が書かれているのがダメだと思う。元々は恋心、あったんじゃん、と思うし、それがかなわないから、友情にシフトという経過もよくわからない。
むしろその逆のほうがおもしろかった気がするけど、もしかして、それは良くある話なの? すみません。
それにしても、中央線臭(笑)がよく出てると思う。そして、関係性が稀薄なのが、今時で、リアル、なのかな。
よくわかんないや。昭和の人間だもーん、しょうがないじゃーん。←良くわからない開き直り。