『東京島』桐野夏生

東京島

東京島

相変わらず、気分悪いです。でも読まずにはいられない。そんなところが恐るべし、桐野夏生
桐野作品の感想振り返ってみたら、 ほとんど★三つです。あら意外。これも★三つだけど、悪意の舞台が非日常になったのが他の作品よりも残念なところ。
それは読み終わってみての感想なんだけど、自分の心の奥にあるかもしれない悪意、何がきっかけで露呈してしまうかもしれない悪意の恐ろしさというのが、これまでの作品を読んで恐ろしく感じたポイントだったんだけど、やはり、無人島への漂流って自分の生活とはかけ離れてるし。もちろん比較の問題なんだけど。
主人公の清子にしろ、人物描写が割と雑なような気が。いろいろなエピソードがこれで終わり?って言うくらいあっさりしてるし。まあ、収拾つかなくなるからでしょうが。
地名をつけるでしょ、トーカイムラ、ブクロ、ジュク、オダイバとか。トーカイムラ以外よくわかんなかった。
ラストは、あれが無難な落としどころなんだろうな。○○が生まれた時点で。
あと、調べてたら元ネタがあるらしいですね。そうなら、あとがきやら解説で触れたほうがいいと思うのだけど、どうなのかしら??
何だかんだ言っても、読みたくなるのが桐野作品、気分が悪くなるのも、桐野スタイルってことで。
次は何がネタかしら。桐野作品、ネタ帳みたいのムックかなんかで出ないかな。おもしろそう。